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5.FPLC、HPLCの一般的取り扱い注意(横溝岳彦)

第二生化ではHPLCは通常、アラキドン酸代謝物の定量、ペプチドの分取に、FPLCは通常、蛋白質の精製に用いられる。両者共に、紫外吸収をもって物質の溶出を検出するが、HPLCでは吸収波長が変えられるのに対して、FPLCは280nmに固定されているのが特徴である。両者ともに2台のポンプを持ち、これらからの流量をコントロールすることによって、塩や有機溶媒の傾斜(グラジエント)を付けることができる。ポンプから送り出された液はミキサーで混合され、カラムに入る。この段階がもっとも圧力のかかる場所であり、トラブルの多い場所である。カラムの許容圧を越えて使用すると、カラム、ポンプの劣化を招くのみならず、目的とする物質の分離が不良となる。特にFPLCでこのトラブルが多く見受けられる。これを避けるためには、

 

*ソルベントは必ず、0.22 μmのフィルターを通したものを使用する。

*サンプルは遠心するだけではなく、最低で0.44 μm、できれば0.22 μmのフィ ルターを通してInjectする。

*毎回、圧をチェックし、記録しておく。

*FPLCの吸着カラムは毎回使用者が責任をもって洗う。(洗い方は各カラム の説明書を参考のこと。

 

また、FPLC、HPLCに共通した注意点としては、

*使用する30分位前にランプのスイッチを入れておく。(warm up)

*使用後は忘れずにランプのスイッチを切る。(ランプには寿命があります)

*使用後の後片付けをきちんと行う。特に塩類、有機溶媒の漏れはきちんと拭いておく。

サンプル、チューブ、シリンジ、溶液ビンを片付ける。