4.Beckman分光光度計の使い方(横溝岳彦)
P2においてある分光光度計は極めて多彩な機能をもっており、その使い方を全て紹介するのは不可能なので、その一部と、注意事項のみを記す。
@注意事項
*使用時には15分位前に電源をいれ(下図1)、warm upする。このとき、置いてある白板に名前を書くこと。(使用者を明確にするため)使用後は必ず電源を切って、名前を消す。(ランプには寿命があるので必ず切ること)
*タンパク質溶液、大腸菌溶液の吸光を測定する際は必ず専用のセルを使う。
*使用後のセルは必要な溶媒 (通常は水とエタノール)で良く洗う。
*'Config'コマンドで設定を変更したときには、元の設定に戻しておく。
@一般操作
まず下図の4の六つのモードから自分の行いたい測定法を選択する。各モードの画面上でカーソルを動かし、条件を決める。OKならスタートボタン(14)を押して、以降は画面の最上段に現われる命令に従ってバックグラウンド、サンプルを同一セルにて測定する。必要ならプリンタに紙をセットし、XY PLOTボタン(下図6)を押せば、画面が印刷される。終了したら電源を切り(下図1)、セルを洗う。
@波長SCANの仕方(最も汎用される)
下図4のSCANボタンを押す。プログラムが保存されているときにはSCAN lで番号を入れれば、測定条件が呼び出せる。(無視しても可)2FUNCTIONは通常Abs。3STARTING, ENDINGは、それぞれSCANする波長の上限と下限を入力し、ENTERを押す。(例えばタンパク定量の際は、それぞれ300、220と入力すれば220nmから300nmまでのスキャンができる)4SPEEDは通常は2400(最も速い)で良いが、細かく測定したいときは遅くすれば良い。
5CALCULATIONは通常NONE。6UPPER LIMIT, LOWER LIMITは吸光度の上限、下限を入力するが、測定後でも変えられるので、余り神経質になる必要はない。7SAMPLING DEVICEは通常NONE。14のSTARTボタンを押すと自動的にCalibrationが行われ、'Imput buckground and push RUN'なるメッセージが出るのでそのとおりにする。次いで、'Imput sample and push RUN'と出るのでセルを洗ってサンプルを入れ、RUNボタンを押す。測定が終わるとスペクトルの曲線が描かれる。スケールが違っている(振り切れたり、逆に、大きすぎたりしているときは、14SELキーと矢印キーで縦軸の数字を選択し、15の数字キーで適切な数値を入力し、ENTERキーを押せば、新たな曲線が描かれる。特定の波長の吸光度が知りたいときは、11SCAN TRACE キーを押すと、曲線上でバツ印が移動し、その波長での吸光度が数字で表示される。この段階で紙をセットし、XY-PLOTキーを押せば、スペクトルと吸光度がプリントされる。
@波長のCalibrationについて(特に停電の後は、必ず行う必要がある)
使用しているうちに、測定波長が実際の波長とずれるという現象が起こる。これは核酸の最大吸収波長が260nmから250nm前後にずれることで発見可能である。このようなときは、以下のやり方でCalibrationを行う。
Config keyを押してDiagnostics modeにはいる。4.D2 λ Accuracy, startを押す。これで自動的にCalibrateされます。