20.cPLA2の活性測定法(中谷紀章)
当研究室では Doleの変法(J.B.C. 260: 9289-9297) を用いている。
準備するもの
- 試験管
- シリカゲル(カラムクロマトグラフィー用)
- n-heptane
- Dole 試薬 ( isopropanol : n-heptane : sulfuric acid = 78 : 20 : 2 )
- 恒温漕 ( 37 ℃ )
- プローブ型ソニケーター
- 反応混合溶液(100 mM Tris-HCL (pH 9.0), 1 mg/ml Fatty acid-free bovine serum albumin, 4 mM CaCl2, 酵素源(適当量))
操作方法
1. リポソームの調整
ガラス試験管にリン脂質を必要量(終濃度が 2 micro Mになるように)とり、窒素ガスを吹き付けリン脂質の薄膜をつくる。水を加えプローブ型ソニケーターで数分間処理し、リポソームをつくる。
2. 上で調整したリポソームと反応混合溶液を全体で250 micro litter になるように加える。
3. 37度でインキュベートション。
4. Dole 試薬を1.25 ml 加え反応を止める。
5. n-heptane を 0.75 ml、水 を0.5 ml を加え、5分間ボルテックスする。
6. 3000 rpm で5分間遠心する。
7. 上層を800 micro litter とり、用意した試験管(シリカゲル100 mg入り)へ移す。
8. n-heptane を 0.75 ml加える。
9. 5分間ボルテックスする。
10. 3000 rpm で5分間遠心する。
11.上層( n-heptane 層 )をシンチレーションカウンターで測定する。
注意事項(番号はそれぞれの操作に対応する)
1.この時溶液の温度が上昇しやすいので気を付ける。本来超音波処理は使用したリン脂質の相転移温度以上で行う。プローブ型の方が浴槽型よりも短時間でリポソームが調整できる。リン脂質は Arachidonoyl PC (1-palmitoyl-2-[1-14C] arachidonoyl-phosphatidylcholine ) を用いている。
5. この操作で2相に分かれる。
7. シリカゲルは heptane層へ混入している微量のリン脂質あるいはリゾリン脂質を取り除くために入れる。
8. 2回目の抽出操作。
11. この時、下層のシリカゲルを吸い取らないように気を付ける。