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19.うさぎ免疫による抗体の作成法とELISA法による抗体価チェック(山本)

2001年8月改訂

 

PharMingenのMouse IgE ELISA Protocolに準ずる。

 

<うさぎ購入>

 2-3 kgを3 匹                                        

 New Zealand White(日本白色種よりが抗体産生良いと言われている。)

 約一週間環境に慣らす。

 <免疫試料の調製>

 初回免疫 300μ g /匹の抗原と等容量のFreund Complete Adjuvantを加え、よく混合する。      

 追加免疫 100μ g /回・匹の抗原と等容量のFreund Imcomplete Adjuvantを加え、よく混合する。

   

 それぞれ抗原とアジュバントをいれた 2本のロックタイプ3 mlシリンジを三方活栓でつなぎ、

 ピストンを交互に押し混合(30 min.)し、油中水型エマルジョンを作る。 全容量は3 ml 以内にする。

 

<うさぎへの免疫と採血>

 うさぎを採血台にいれ耳だけを出し、部分採血は外縁耳静脈より行う。キシレンにて血管を拡張させ18 Gの針を刺し、そのまま血管内へ入れる。耳を自然な状態に戻して血液が針を通って出てくるのをファルコンにて受ける。うまくいかなければ、針をはずして落ちてくる血液を回収しても良い。回収した血液は室温に30 min. 放置した後、4 ℃ O/N 静置する。次に遠心し、その上清(血清)をエッペンチューブに小分けして-80 ℃に保存する。免疫はうさぎの背部4-5 カ所に分けて皮下または皮内注射する。 この時の針は21 Gを使用する。  

 前採血  ~30 ml /匹

 ↓1 week 

 免疫 

 ↓2 weeks

 免疫

 ↓2 weeks

 初回採血 ~5 ml /匹

 ↓1 week

 免疫

 ↓2 weeks

 2 回目採血 ~5 ml /匹

 抗体価チェック

 ↓

 全採血

 

<ELISA法による抗体価チェック>

-用意するもの-

 抗原

1 次抗体(うさぎの抗血清)

2 次抗体(抗うさぎ Ig G 抗体ーペルオキシダーゼ)

ELISA plate

PBS(-)

blocking solution(5 % BSA,0.1% NaN3 in PBS)

1 % BSA in TBS

30 %過酸化水素水

ABTS [2,2'-Azino-bis(3-ethylbenzthiazoline-6-sulfonic acid) Diammonium Salt]

Sigma社ABTS (catalog # A-1888) 150 mgを500mlの0.1 Mクエン酸溶液(pH 4.35 with NaOH)に溶解し、11 mlずつ小分けにして-20℃で保存する。用時溶解させて10μlの30%過酸化水素水を加える。溶液は使い切り。

SDS/DMF

80 g SDSを含むddH2O 220 ml にN,N-dimethyl formamide 200 ml を加えたもの。

抗原をPBSにて1μg に調製する。

 ↓

ELISA用の96穴プレートに50 ng(50μl)ずつ加える。

 ↓

 4 ℃ O/N

 ↓

PBSで2-3回wash(プレートを逆さにしてPBSをきれいに除く)

 ↓

Blocking solutionを200μl/well加え室温で2時間放置する。

 ↓

PBSで2-3回wash(プレートを逆さにしてPBSをきれいに除く)

 ↓

一次抗体(うさぎの抗血清)は1 %BSA+TBSで2倍の希釈系列をつくり、100μl /well加える。室温1時間放置する。

 ↓

PBSで 2 - 3 回 wash(プレートを逆さにしてPBSをきれいに除く)

 ↓

2 次抗体(抗うさぎ抗体ーペルオキシダーゼ)を 1 % BSA + TBS で 2000 倍希釈し、50μl/well加え、室温で1時間放置する。

 ↓

PBSで2-3回wash(プレートを逆さにしてPBSをきれいに除く)

 ↓

30 %過酸化水素水を10μl 加えたABTS(前述の通り)をすばやく100μl/well加える。20分放置する。

 ↓

SDS/DMFを100μl /well加えて、反応を止める。

 ↓

405 nmで定量する。

初回と2回目の採血で抗体価が上昇している場合は追加免疫を行う。

明らかな上昇が見られない場合は全採血を行う。

 

<全採血>

 うさぎをネンブタールで麻酔した後、固定台に仰向けに固定する。開腹し、50 ml シリンジに18 Gの針をつけ心臓(左心房)に突き刺しゆっくりと引く。頭を少し下になるように身体を傾けると出やすくなる。100 ml は採取したい。