第6回国際PAF学会終わる(1998年9月25日)
(斉藤さんと山本さん)
(LIS遺伝子欠損の脳 )
98年9月21日より24日まで、ニューオーリンズで第6回国際PAF学会が開催された。のべ150人もの参加があり、予想以上に盛会であった。生化学教室からは清水が基調講演をしたほか、和泉助教授、石井聡、斉藤、相原がそれぞれ口演をし、さらに、大学院生の山本、星野がポスター発表をした(写真参照)。PAFを初めとする脂質ディエーターでは、日本の研究グループが確実にリードしているようだ。このほか、興味のある発表としては、細胞内PAF受容体の存在を示唆するデータが出されたこと、組み換えPAFアセチルヒドロラーゼの臨床応用が開始(壊死性腸炎、気管支喘息、ARDSなど)されたことなどがあげられる。弘前大の佐藤らが報告しているように、日本人の4%が本酵素を欠損しており、酵素と種々の疾患の関連に興味が集まった。さらに、東大薬学の井上、新井、青木らにより細胞内アセチルヒドロラーゼの精力的な研究が報告された。ところで、このアセチルヒドロラーゼのβサブユニットを欠損したマウスが作られ(NIH, Weizmann Institute)、ホモマウスは致死、ヘテロも脳の発達異常が認められ、Miller-Dieker症候群(写真)とPAFとの関係が一層注目された。次回、第7回国際PAF学会は東京で、和久敬蔵先生(帝京大薬学)が主催されることとなった。