花の41年入学ドイツ語クラス(1999年1月26日)
(奇妙な4人組)
(左からJT・中馬、東大農・大久保、帝京大内科・寺本、東大医・清水)
昭和41年に東大に入学し、理科2ー3類8組というドイツ語クラスで一緒に青春を過ごした4人組がいる。信州の山小屋で静かにアルバイトをしているとギターを持って押し掛けてくるのがこのメンバーだった。デモと看板書きに明け暮れたり、ジャズバンドを組織したり、雀荘で一日過ごしたり、新車(当時はパブリカ)を乗り回すシティーボーイになったり、それぞれが青春を謳歌していた。時はベトナム戦争のさなか、また、大学紛争の前夜であり、時代の不安感が若者を襲い、やがて来る偽の列島改造とバブルは人々の心をむしばんだ。テロリストだけにはならなかったが、自分の将来を計算できる者など誰もいなかった。奇妙な友情が続いたのは、お互いの違いを認識したせいかも知れない。共通点は全員がスキー好きだったことだけだった。鬢に白いものが目立つようになった4人は、健康の不安を抱え、子供の将来を憂い、また、職場でのストレスを抱えて、年に1度以上こうして集まっている。そこで、時間の経つのも忘れて、小説や映画について、ゴルフの功罪について、日本の将来について、大学の民営化について、医療制度や薬について、ドイツ車について、と、相も変わらぬ青い議論が続くのである。